【百合ブログ】百合Edge R&D 

人間無骨のブログ。百合のレビューをする。 Twitter:@ZephyrMusician

MI・KU・MI――百合え■ちのめんどうくささ

イラスト・SSの交流サイトが増えていくにしたがって、個人サイトによる作品の公開というやり方は減っていった。

 

小説だと「Pixiv」や「小説家になろう」あたりが有力どころだろうか。

こういうサイトはとりわけマイナーなジャンル(そう、百合も昔はマイナーだった!)を渉猟する上ではすごく便利なんだけど、その反面、個人サイトの佳作たちが見過ごされているという現状を生み出しているように感じる。

 

今回紹介する「MI・KU・MI」も個人サイト『創作館 ふれ・ちせ』

http://hure-chise.foxs-web.com/chiron/index.html)で公開されている佳作の一つだ。ただ、内容や描写については若干好みは分かれるかもしれない。

理由については後述する。

 

発掘というのはおこがましい言い方になるかもしれないけれど、こういう主流サイト以外の作品もここでは積極的に紹介していきたい。

このサイトは残念ながら更新が途絶えてしまっているけれど、他にも多くの百合作品が公開されている。百合小説を読みたい! という人は行ってみてほしい。

最近になってやっとPCの縦書きに対応したPixivに先んじて縦読みにも対応している。

 

さて、この「MI・KU・MI」はいわゆる官能小説で、250を超える(!)総ページの多くを性描写に割いている。

ざっくりとしたあらすじとしては、主人公の少女、岡村美鳩が電車で女性の痴漢(この場合は痴女?と本編でも書かれている)里原公美と出遭い、やがては仲を深めていく――というものだ。

 

この作品が特殊なのはやはり痴漢と百合を組み合わせている所にあるだろう。

いわゆる官能小説でも成年向けの同人誌でも痴漢モノは姿を見せるけど、それに百合が混ざってくるとなると数は急激に減っていく。

また痴漢のほかに拘束や飲尿などアブノーマルなプレイも本作では登場してくる。

そういう属性がある人にとってはたまらないだろう。

 

ただし、残念な(?)ことに痴漢はあくまでも作品の導入であって、後半からは主人公の親友も絡めた比較的普通の百合エロ小説といった塩梅になる。

おなじカップリングによるプレイばかりではダレてくるという点を、他のカップリングや主人公の妄想で組み合わせやプレイに幅を持たせているのは嬉しいところだ。

 

ここまでが作品の紹介となる。前半はやや面食らうかもしれないが、全体的にはしっかり百合作品しているので、百合目当てなら楽しめるだろう。

普通なら。

 

さて、ここからは作品から離れて百合え■ちにまつわる『めんどくささ』に触れよう。先程『普通なら』と書いたのも、このめんどうくささが関係している。

 

そういうのに興味がない人はここでサヨナラしても大丈夫だ。

 

自分はめんどうくさい百合厨だと思っていたりする人は、続けてほしい。 

 

まずはこんな記事があることをお伝えしたい。

 

百合あるある、とあるが、具体的な内容は「百合厨にとっての地雷・百合え■ちの難しさ」についての記事だ。

記事の一部を引用して、百合厨のとっての地雷を見てみよう。

 

(引用はじめ)

「実は主人公が女装少年だったりしませんよね!?」とか
「女の子の股間にち○ちんが生えたりしませんよね!?」とか、
「最後に男性キャラが出てきて、ヒロイン達が寝取られたりしませんよね!?」とか、

かつてさんざん裏切られてきたとおぼしき、ユーザーさん達の悲痛な声がそりゃもう沢山……

 (引用終わり)

 

と、まぁこんな具合だ。

百合と見せかけて上記のような展開になることはそれなりにあって、多くの百合厨が泡を吹いてぶっ倒れてきた歴史がある。

 

とかく百合厨というのはアレを嫌う傾向にある。

 

そのせいで、逆にアレを意識しているだの、百合は男一人で駄目になるのかだの、結局少女を消費しているだの、面倒な人たちに背後からぶん殴られることも多々ある。

 

俺は政治的なアレコレなんてどうでもよくて、ただ綺麗なレズセ■クスを堪能したいだけなんだ。そういうのはもう勘弁してくれ……。

 

そういう暗闘はさておき、百合え■ちには避けるべき展開が多くあるのは間違いない。

制限が多いと言うことは、それだけ形のするのが難しいと言うことでもある。

だから、先程の記事でも「絵師泣かせ」という表現で、それに触れている

 

(また引用はじめ)

これも長い間シリーズを続けてゆく度に実感できるんですが、百合ゲーの作画って、一般的な男女恋愛ゲームに比べると、結構大変なんです……

まず、イベント絵はかなりの確率で、キャラが2体の作画になります。男女ゲーではエッチシーンで「女の子1人」の絵も珍しくありませんが、18禁百合ゲームでは、まずキャラは2人になりますね。

またフェラやパイズリといった、「女の子メインで、男性はち○ちんのみ作画(もしくは透明主人公)」なんてのも、百合ゲーではあり得ません。

もうそれだけでも作画労力は2倍になっちゃワケですが……さらに女の子同士のエッチシーンは……体位のバリエーションがすごく少ないんです。

特に上記の「オモチャ無し」で行くと、さらに少なくなります。

そう言う意味でも18禁百合ゲーの作画担当の人は、作画枚数をこなす度に、似たようなカットが増えてしまい……という感じで……意外と絵描き泣かせなのです(汗

 

(引用終わり)

 

と、こんな具合に制作者の苦闘が見て取れる。

実際、百合え■ち描写の多い「その花びらにくちづけを」でも「彩百合(L)」でも体位は割と似たような形になってしまっている。

 

これに関してはBLでも普通のセ■クスでも体位の種類には限界があるという反論は可能だけど……。

 

百合厨の地雷というのはこのほかにも、前回書いたような「一々葛藤を入れる」だのなんだの、ほかにもたくさんある。興味がある人はこういうものもあるので見てみたらいいだろう。「うっわめんどくさ!!!!」となることうけあいだ!

 

 

さきほどの「MI・KU・MI」でも後半でデ■ルドが出てくる。ファンタジーだと(界隈では)よく言われている。貝合わせなんかもあるので、口に合わない人は合わないだろう。

 

と、まぁこんな具合に百合には制限というかルールのようなものがたくさんある。

客観的に見て相当面倒だと思うが、それはこだわりと言い換えても許されるはずだ。

 

自分もそういうこだわり抜いた百合え■ちが見たいし、作りたい。

 

明日は、ガールズラブフェスティバスだ。残念ながら自分は参加できないのだけれど、現地に行く人は、そういう「こだわり」を買う本から感じ取ってほしい。

 

そのこだわりを気づいてもらうことこそが創作者としての喜びだろうから。