【百合ブログ】百合Edge

人間無骨のブログ。百合のレビューをする。 Twitter:@ZoolockMetatron

アフターアワーズ第二巻はいつごろ?-リソースを割くべきなのはどこ?

 

ハッキリと書いてしまえば、どうやらアフターアワーズは売れていないらしい。

じゃあこの漫画はつまらないのか? そうは思わない!

ちょっと時期を外してるんだけど、今回は趣味を続けるうえでついて回るリソースの問題と、アフターアワーズの魅力を考察したい。

 

とりあえず、暗い話はヤメにしてアフターアワーズについて紹介したい。

 

掲載誌であるヒバナの製作したPOPから引用すると、この漫画は

「30歳女DJ、ケイ×24歳無職女子、エミ」

の物語だ。

 

二人は偶然クラブで出会い、そのまま同衾して、第一話にして朝チュンが発生する!

軽率な肉体関係から始まる百合だよ!!!!!!!

といっても露骨な描写とかベタベタしたモノローグはないから、そうした描写が苦手な人にも安心だ。

 

まぁ、細かい話はこれからダラダラ語るけど、すでに興味があるのなら実際にちょっと読んでみてほしい。ここ↓で試し読みできるからね!

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ここに書かれていない情報をちょっと盛り込むと、無職女子の方は色々と苦労しているみたいで、一応就職はしたものの既に退職していて、避けがちな自宅ではどうやら別れた彼氏と未だに同棲しているらしい。

 

一方でDJの方も、若いうちは周囲と同調できずに歯がゆい思いをした経験が語られているものの、現状で大きな問題とは直面していないように見える。

 

第一集の時点では、無職女子ちゃんの過去はほとんど触れられていなくて、今後はそうした点にも焦点が当てられていくだろう。

 

アフターアワーズ(After hours)とは「就業時間後」という意味で、クラブのDJ達は昼間の内は別の仕事をしている。作中では要所で「夜」というフレーズが用いられているから、ちょっと意訳気味だけど夕方から夜明けまでという意味でも解釈できる。

 

作中で昼間の仕事はほとんど描かれないし、仕事のないエミの方も、ケイと過ごしていない時間帯のことは先ほども描いたが詳細が分からなくなっている。

 

みんな、本当にやりたいことは「夜」のうちにしかできないことなのだ。

 

仕事もないし、はっきりとした夢や趣味のないエミはやりたいことを探していて、世間からすれば日陰の、夜の側に立っている。

そうしたエミがケイと出会うことで、やりたいことを見つけ出すのが、このアフターアワーズなのだろう。

 

夜はまだ始まったばかり――

アフターアワーズ第一集はこのフレーズで始まり、このフレーズで締めくくられる。

 

では夜が明けた時、エミはどうするのだろう? ケイとはどうなるのだろう?

 

最後までそれを見届けたい。

 

百合漫画はあんまり……って人でも、日中、クソみたいな仕事をしていて「ほんとうにこれでいいのか??」と思ってるようなら手に取ってみてほしい。夜の間にほんとうにしたいことを探してみようじゃないか!

 

なんにせよ売れないといけないワケ!!!!!

 

これからは売り上げの話だ!その手の話題は不愉快な感じになったりするし、無理な人はここまでにしような! 

 

そも、大前提として、アフターアワーズは売れてない。*1

 

全ての作品がそうだけど、アフターアワーズにも弱点はある。個人的には、やはり百合作品としては押しが弱い。

軽率なレズセックスから始まる物語ではあるが、甘めのイチャイチャ要素はなく、全体的にあっさりとした雰囲気で物語は進行する。なんというか、夜が明けた時の静かな街みたいな感じさ。

だから「ラブラブな描写がほしい!」って層にはウケないかなぁ、と思う。私は、そういう静かな話も好きなんだけども……。

好みの話であって、優劣の話じゃないのよ、でもやっぱ恋愛要素を推してる作品のが手に取られやすい面はあるように感じるね。

 

しかしながら「売れていない=つまらない」という構図はあまりにも安易だし、到底賛同はできない。アフターアワーズも売れるために露骨な路線変更とかはしてほしくない。*2

 

とはいえ、売り上げが人気や需要の指標の一つになることは間違いないだろうし、売れて困るということもない。

 

百合というジャンル自体が、まだ市場として確立しているとは言えない以上、これはアフターアワーズだけの問題ではない!

 

個人の力には限界がある。一人の百合好きがどれだけ百合作品を買い漁ろうが、それには限界がある。もっと百合が好きって人が増えないとイカンのよな……。

 

私も百合が大好きだけど、全ての百合作品を買っているわけではない。好きならなんでもかんでも買うべき! というのは違うしね。

カネと時間は無いところから作るものだとしても、無制限のリソースを手にすることはできない。石油王でさえ、時間は有限だ。

 

そういう有限なリソースを割く価値があると思ったものを、このブログでは紹介したいのですよ。

 

地雷作品とかクソつまんねえ作品を紹介することにも、例えば「それを回避できる」といった点で一定の価値はあると思うけど、それは買ってくれるかもしれない人をどうしても減らしちゃうからね。私がダメだと思ったものを、面白いと感じてくれるかもしれない人だって存在するし。

 

アフターアワーズは、もうこういう状況になっちゃったから、説得力に欠けるけど……みんなも「作品存続にためには買わねば!」みたいな重い気持ちじゃなくて、面白そうだし買ってみようかなぐらいの気持ちでポチッたり本屋に行ってみてね!

 

アフターアワーズ第二集の発売日が発表されるのを、当ブログは心待ちにしています。

 

 

 

*1:5000部必要というのから換算すると売れたのは、おそらく数千部程度らしい。同人誌売りからすれば途方もない数字だが、週刊売り上げだけで一万部を超す漫画だってこの世にはあるわけで……

*2:ジャンプのコメディ漫画が突然能力バトル漫画になるみたいなアレのこと