けいおんSS-二次創作の形
今回紹介するのはけいおんのSSだ。
百合かどうかっていうとギリギリ百合だとは思うけれど、内容に関してはほとんどけいおんの原型を留めていないので、注意してほしい。
内容は軽音部の面々がとにかく不条理で滅茶苦茶な会話と行動を延々と続けるというものだ。
正直この手の作品を好きって公言したら眉を顰められるかな? と思わなくもないけれど、好きなものは好きなんだからしょうがない。
このSS作者は他にも多くのSSをかいてるけれど、どれも会話のテンポが抜群にいい。
(以下SSより引用)
梓「そのとおりです!さすがクールビューティ澪センパイ!!」
「よって『れずにゃん』は却下という方向で」
紬「え~」
澪「って言う事は『にゃん』の可愛らしさを打ち消すほどの
超絶カッコイイ単語を頭につけたら どうだろう」
梓「おいしっかりしろ狂ビューティ」
唯「たとえばどんなの?」
律「超かっけぇ!!」
(引用終わり)
俺がけいおんのSSを作ろうとしても「ヘラクレスオオあずにゃん」なんてパワーに満ちた言葉は絶対に思い浮かばないだろう。
狂った内容に抵抗がないなら是非。
さて、巷にはあらゆる作品の二次創作が溢れている。人気作品ともなれば莫大な数の作品が存在しているし、マイナーな作品でも情熱ある作家が素晴らしい作品を生み出している。
ここで二次創作の種類を勝手に分類してみよう。
大きく分けて5つになった。
ザ・ワールド型
本編での特定のワンシーンを切り取って考察したもの
バイツァダスト型
本編やキャラクターの過去を描いたもの
キングクリムゾン型
色々前提を飛ばしていちゃいちゃさせるもの
メイドインヘブン型
本編のその後や別の視点やIFから本編全体を俯瞰するもの
D4C型
学園パロディや現代設定など世界観自体を変えたもの
なんでジョジョなのかって?
百合とジョジョを無理やりくっ付けようと頭の中をこねくり回してる時に浮かんできたんだよ!
どういうタイプでも楽しめる作品はあるだろう。
では二次創作の面白さを決めるものはなんだろうか?
もちろん、オリジナルの作品と同じく二次創作でも面白さの基礎になるものはよく練られたシナリオやユニークな着眼点だろう。
ただそれとは別に二次創作特有のポイントがあるのはずだ。
それは原作に忠実であることだろうか?
キャラクターの性格や世界観に合わせて、そういうものがありえたかもしれないと思わせる作品が優れた二次創作だろうか?
しかし反論もあるだろう。そもそも大抵の二次創作は原作から外れている時点で、忠実たりえないと。
花京院典明はDIOとの戦いに生き残れていない。
西木野真姫と矢沢にこはねんごろな仲になっていない。
そういう点で、二次創作は明白に原作から乖離している。
じゃあこういう要素がある二次創作はクソなのかというと、そうとは限らない。
さっき挙げたような設定の二次創作は探せばいくらでも見つかるし、中には支持を集めているものだってある。
そしてにこと真姫が(のぞにこ派やりんまき派、そしてそれ以外の宗派の方々はどうか許してほしい!)付き合っている話を楽しんでいる時、人はそれをラブライブの話だと認識している。
「これは原作と違う! ラブライブじゃねえ!」
と怒りに燃える人はそもそも読んでいないだろう。
自分としては、二次創作とは原作の何かを無視する行為だと思っている。
原作に無いものを求めるのが二次創作の源泉だと以前の記事で言ったけれど、そこにはきっと原作でありえなかったものが見たい気持ちも存在している。
原作という絶対的な運命から解き放たれたキャラクターや世界はどんな姿を見せてくれるだろう?
その好奇心は、きっと見たこともない新しい原作の形も見せてくれると信じている。